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カラスの親指

ああだまされた、だまされた。


こういうものを読むときは、仕掛けに気付きそうになっても知らぬ素振りが吉と信じるが、いや、そんなふりもほとんど要らず、キレイにだましてもらえました。
気軽に楽しくだまされるにはうってつけのお伽噺で、けっこうでした。



映画を見ずに、映画の配役を当てはめながら原作を読むのは楽しいものだが、イルカに似た男=村上ショージというキャスティングは唯一無二でしょう。
他に考えられぬ。


道尾秀介
カラスの親指




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野枝さんのこと

伊藤野枝については、ダダイスト辻潤の妻でアナキスト大杉栄の愛人、甘粕大尉に殺された、というほどのことを知っていた。
その姿は過激で先進的な女性活動家、丸尾末広が帝都大戦の口絵に描いた無惨絵みたく、またはエロス+虐殺などという映画(見てないけど)のタイトルみたく、血みどろだった。


読後の野枝は、茨の垣根越しに笑う、手襷がけの姿に変わった。
この野枝は強くも弱くもない、ただ共感できる女だ。
小柄な体に血や魂が詰まっている。


彌生子は、徹底的な救助の出来ない以上みだりに他人の生活に立ち入るのはいけないという節度をもちながら、この年下の友人を強く哀しんでいる。


夜に読んで寝て、悲しく甘いような余韻が翌日の日が高くなる頃まで続いた。
文章が美しいためでもあると思う。



精選女性随筆集 十
文藝春秋




神去なあなあ日常

男女はおおらかで閉鎖的で、いきいきと可愛いらしく、山河は生命力に満ちて美しく。
花びらと酒瓶の舞う花見の場面に、河童になったまんだら屋の良太がまぎれていてもよろしい。

ひよわい都会人たる私などは、横浜から来た勇気くんのオドロキに同調して、うええええええとかなんじゃそら~とか脳内で叫んじゃって、東京に生まれ育つなんてツマラヌことをしたとため息をついちゃって、素直な読み手であった。 


地震で山が揺れ、杉の花粉が降りそぞく場面で

「ふ、腐海!」
「午後の胞子を飛ばしている……」

といいだすあたり、さすがの三浦しをん。

あ、帯が宮崎駿…。


三浦しをん
神去なあなあ日常



畑中純
まんだら屋の良太

プロフィール

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鳩野ふみ
性別:
女性

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