忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

サバ折り文ちゃん

「昭和七年、弟弟子の天竜を中心に出羽一門の関取が結束して新興力士団をおこし、これにつられて残った力士の大部分も革新力士団を作って協会改革を主張した」とある。

プロレス団体の分裂のようじゃないか。
昭和初期の相撲界、こんなことがあったのか。
ほー。


相撲ファンもプロレスファンも、力士や選手の姿の良さや強さに惹かれ憧れるのだろうが、その愛の中には、異形なもの、奇形的なもの、祝福されないものに心を寄せ、そうしたものが反転して現す力に魅入られる気分が含まれているのじゃないだろうか。


わたしはどちらにもあまり詳しくはないのだけども。


色川武大
怪しい来客簿




PR

カラスの親指

ああだまされた、だまされた。


こういうものを読むときは、仕掛けに気付きそうになっても知らぬ素振りが吉と信じるが、いや、そんなふりもほとんど要らず、キレイにだましてもらえました。
気軽に楽しくだまされるにはうってつけのお伽噺で、けっこうでした。



映画を見ずに、映画の配役を当てはめながら原作を読むのは楽しいものだが、イルカに似た男=村上ショージというキャスティングは唯一無二でしょう。
他に考えられぬ。


道尾秀介
カラスの親指




野枝さんのこと

伊藤野枝については、ダダイスト辻潤の妻でアナキスト大杉栄の愛人、甘粕大尉に殺された、というほどのことを知っていた。
その姿は過激で先進的な女性活動家、丸尾末広が帝都大戦の口絵に描いた無惨絵みたく、またはエロス+虐殺などという映画(見てないけど)のタイトルみたく、血みどろだった。


読後の野枝は、茨の垣根越しに笑う、手襷がけの姿に変わった。
この野枝は強くも弱くもない、ただ共感できる女だ。
小柄な体に血や魂が詰まっている。


彌生子は、徹底的な救助の出来ない以上みだりに他人の生活に立ち入るのはいけないという節度をもちながら、この年下の友人を強く哀しんでいる。


夜に読んで寝て、悲しく甘いような余韻が翌日の日が高くなる頃まで続いた。
文章が美しいためでもあると思う。



精選女性随筆集 十
文藝春秋




プロフィール

HN:
鳩野ふみ
性別:
女性

カレンダー

04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

ブログ内検索

P R

*****