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厄介でない親などいないのだろうが、
「平凡なＯＬになって結婚して玉姫殿とかで式挙げて花束贈呈してやる」には笑った。
非凡に惹かれる反抗期を過ごしている同世代の友人が羨ましかっただろうか。
「月並みこそ尊いのよ」なんて言ったりして。
娘の精神にこんなに食い込んで、井上光晴は幸せな父親である。

秀でた才能を親に持つ子供が長じてショボいことはしばしばだが、作家の娘にはしたたかな個性が多いようだ。
なぜだろう。

井上荒野
ひどい感じ－父・井上光晴

ＲＩＫＡ

口裂け女の類と感じたが、ならば望月峯太郎の『座敷女』のほうが怖い。
ご亭主の出会い系遊びを悪癖として苦々しく思っている奥さんにとっては、ご亭主が読んだら怖がりそうで、この本は便利かもしれません。知らないけど。

既読の怪物女達の中では桐野夏生『I'm sorry mama』のアイ子が最強最凶の暫定一位です。
怖ぇ。

五十嵐貴久
RIKA